『いのちのパレード』 恩田陸 著

いのちのパレード

いのちのパレード

短編集。ホラーでもあり、ファンタジー、SFというべきものも。突拍子もない夢を書き下ろしたような、それでいて強いメッセージ性も併せ持つような。
「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで」、「いのちのパレード」は、手塚治虫火の鳥・未来編」と共通するモチーフを感じた。前者は、文明の盛衰のスパンに対する、入れ物としての地球の恒久性、後者は、生命の進化や絶滅を見守る存在。まぁ著者の真意は別のところにあるのかもしれないが。
「観光旅行」、「夕飯は七時」、「かたつむり注意報」は、ものすごく奇異な映像を想起することになりますが、それがまた楽しい。