『西の魔女が死んだ』 梨木香歩 著

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

西の魔女が死んだ (新潮文庫)

中学に入って早々、学校に馴染めなくなったまいと、「西の魔女」こと英国人の祖母との交流を描く。まいは、おばあちゃんの懐深い優しさに癒されながら、魔女の修行になぞらえた約束を通じて徐々に成長していく。
「家守綺譚」が良かったので、代表作といわれる本書に進んだ。これも素晴らしい作品だった。
年齢がまいに近い読者は「西の魔女」から人生訓を得るだろうし、「西の魔女」に近い読者は、次代を生きる者のために正統な知恵や文化を伝えることの喜びを感じるはず。
果たして自分は、老いたときに「魔女」になれているだろうか。