『「知の衰退」からいかに脱出するか?』 大前研一 著
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2009/01/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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まずは日本人のおばかぶりを斬る。
だが、それは意見ではなく、単なるエモーションである。なぜなら、まったく論理的でないからだ。(…略…)メディア側も、ウケのよさそうなコメントを選んで放送するので、視聴者は、単なるエモーショナルな反応をみんなの意見だと思うようになってしまう。そして、世論が形成される。(p.51)
ともかく、日本人は”考えない”。考えようとしなくなり、すべてを丸投げする傾向が強くなった。(…略…)ようするに「丸投げをする」という意思決定だけをする。これが、現在の日本人の共通したメンタリティではないだろうか?(p.141)
知識を吸収し、それを加工して「考える」ための具体的な方法として、下記が紹介されていた。
■毎週土曜日に3時間ほど時間をつくり、自分が関心のあることについてGoogleでネットサーフィンをする。
■3時間のネットサーフィンだけでは時間のムダなので、その結果、つまり、「要はどういうことなんだ」「それなら私はこう考える」をレポートにまとめる。面白い写真やデータを見つけたらそれもレポートに添付する(このレポートが学生にとって最初の棚となる!)(p.235)
下記は、著者による21世紀の教養の定義。古典ではない、と。
くり返すが、現在求められている「21世紀の教養」は、サイバー社会も含めた最新の情報に基づいた”考える力”であり、それによって地球市民としてどのように社会に関わっていくかという意識である。(p.431)
タイのタクシン元首相、マレーシアのマハティール元首相の読書量の話も興味深かった。