『姑獲鳥の夏』 京極夏彦 著

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

文庫版 姑獲鳥の夏 (講談社文庫)

高校くらいだったか、それ以来の再読。
藤牧失踪の真相は衝撃的だったので覚えていたが、それ以外のストーリーはかなり忘れていたので大層楽しめた。改めて読むと、あちこちに伏線が張り巡らされているのがよく分かる。冒頭の京極堂の大薀蓄も壮大な伏線。この作品の魅力は、著者の怪しげな筆に幻惑される楽しさ、と思っていたが、再読してみると、思いのほかキャラクタの設定に強く依存したプロットであり、緻密に計算しつくされているのが意外ではあった。